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概要

NaigaiNenshi

第4章:新時代への挑戦[1983-2013]4らは管理職と指導職の70人強が参加し、「部下にやる気を起こさせるためには」「周りとのコミュニケーションを良くするためには」「人に好かれ、信頼されるためには」などについてディスカッションを重ねた。研修に感銘した参加者たちは「I(あい)の会」をつくり、助け合う仲間としての約束をした。この頃、創意工夫の提案は1人当たり20件に達した。86(同61)年度の創意工夫件数は6,470件あり、うち4,207件が採用された。研修はこうした社員のモチベーションの向上にも大いに寄与したと考えられる。遊び心あるサンダルを商品化1987(昭和62)年からは学校向けに「EZサンダル」の販売を始めた。当時、学校向けの商品は「ニューモード」と「丸菱スリッパ」のみだった。日下部商店から「ニューモードよりも高級感のある縫製サンダルを製造してほしい」との要求があり、製造に乗り出すことになった。数年後には、EZサンダルをベースにアレンジした「学園サンダル」を販売。学園サンダルは8サイズ作り人気を博した。EZサンダルは、学校別に特注品を受け付けた。その販売方法に賛同してくれた日下部商店は6種類もの特注品を発注してくれた。以後も段階的に販売数量を拡大した。特注品はステッチ方法が異なるくらいで、デザイン面で大きく違うものではなかったために紛らわしかった。緊急な対応が必要な時には、間違えることも多々あったので、校章やネームプレートの色分けにより区別できるよう改善。それにより製品の在庫を持つことができ、注文を受けた翌日に出荷するという緊急の対応もできるようになった。88(同63)年から3年ほどは、遊び心のあるビーチサンダルを送り出した。名付けて「オレンジペコ」。左右そろえると図柄になるもので、犬柄の「ポチ」、猫柄の「タマ」、じゃんけんの「グー」「チョキ」「パー」、果物・野菜シリーズでは「スイカ」「イチゴ」「トウモロコシ」「ナスビ」、動物では「ゾウさん」「キリンさん」「サカナさん」「イカさん」「クジラ」「ペンギン」「アシカ」、南の島に暮らすちょっと太った男の子、女の子をデザインした「ブー太」「ブー子」など、それぞれ面白い図柄で子どもたちの心を捉えた。また、ディスプレーとしても人気で、多くの店で扱ってもらえた。夏場だけの販売であったが、年間1万5,000足ほど売れるヒットとなった。困難な注文にも内外イズムで対応当社の履物担当者は、ともすれば無理と思われるユーザーからの困難な注文についても親身になって受けてきた。これは生田庄太郎、長谷川兵衛、今西一夫という代々の履物製造部長の「ユーザーからの要望はできる限り受け付ける」という精神が継承されてきたためだ。その一つが、「ニューモード」の特注である。ニューモードの販売サイズは#5~11。射出モールドがそれしかないため、それ以外のサイズは対応できない。ところがある時、九州の中学校から「新1年生の中に、#5より1~1.5サイズ小さい足の生徒がいる。一人だけ異なる商品を履かせるのは気の毒なので、色も合わせて何とか作ってほしい」との依頼があった。「ニューモードS」では基本的に幅などが異なるので、塩ビの四角のテスト板と本来の中底を寸法カットしたものとを組み合わせ、足に合うものを2足作った。よほどうれしかったのだろう、その子の親から社長宛てに礼状が来た。もう一つは「学園スリッパ」の話。ある高校生から「学校で指定されているスリッパが小さくて履けません。他のスリッパでもよいと了解を得たのですが、私の足に合うスリッパはどこにも売っていません。何とかしてくれませんか」と手紙をもらった。サイズが分かるよう実寸の足型を描いた絵も同封されていた。スリッパのサイズは29cm程度までしか用意していなかった。もちろん癖付けの機械も使えないし、アルミラストもない。その絵の足型を測ってみると、幅はさらに2~3cm広95