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概要

NaigaiNenshi

第4章:新時代への挑戦[1983-2013]4いる。色は企業姿勢である「ヘルシーライフをめざす」を表現するヘルシーグリーンを使った。製品の一つ一つに記されたこのマークには、「ヘルシー・コミュニケーター」内外ゴムの未来へチャレンジする新しい企業姿勢が刻み込まれている。同年の売り上げは95億4,700万円で過去最高を記録した。特殊ゴムのハネナイトを開発「ハネナイト」は当社が独自に開発した、反発弾性が非常に低くほとんど弾まない特殊ゴムである。衝撃吸収性が高く遮音性に優れ、制振材や防振材、防音材などに使用されている。ハネナイトは当初、ノーソレックス(ノルボルネンゴム)という合成ゴムを使用していた。このゴムは弾まないゴムとして有名で、磨耗係数が高いなどの特色を生かして低反発ゴムを開発した。最初の製品は明石市大久保の鉄工所向けで、ティーバッティングマシンのボールと無反発パッドだった。宣伝チラシには巨人軍の王貞治監督(当時)が写り、推薦文が載っていた。神戸新聞にも紹介された。それだけ低反発ゴムが珍しかった時代のことである。この低反発ゴムの名称をどうするか。社内で公募をしたり、いろいろと検討の結果、弾まないゴム⇒跳ねないゴム⇒はねないゴム、ということでハハネナイトを使ったティーバッティングマシーンの広告ネナイトという名前になった。ノーソレックスを使った一般用途向けのGPタイプを主にして用途拡大に努め、販売促進を進めた。さらに販促活動で得られたユーザーの要求に応えようとGPタイプの性能向上と特殊用途向けのハネナイトの開発にも乗り出した。そうして生まれたのが耐油性ハネナイト(旧OPタイプ、APタイプ)である。加えて、各タイプのハネナイトのスポンジ化にも取り組んだ。1983(昭和58)年頃から、営業と開発がタッグを組んでユーザーを巡り、徐々に売り上げを増やしていった。使用された用途はパチンコ台の衝撃吸収部品、自動車の小物入れの開閉部、家電製品やOA機器などである。異色のユーザーとしては防衛庁(現防衛省)だ。潜水艦の潜望鏡の昇降時のパッド、無人標的機発射台の緩衝機、自動小銃射撃訓練時の肩当てなどで試用され、実際に販売もした。また、今は衰退したVTRだが、三菱電機株式会社(製品組み込み)やソニー株式会社(生産ライン)に採用されたこともあった。56期〈90(平成2)年6月~91(同3)年5月〉には年間売り上げが1億円を突破し、翌57期〈91(同3)年6月~92(同4)年5月〉は1億3,000万円を超えた。しかし91年(同3)年、ハネナイトにとって大問題が起こった。主要原料であるノーソレックスの供給問題である。ノーソレックスはフランスのアトケム社が製造し日本ゼオン株式会社が輸入販売していたが、アトケム社の経営不振により供給に支障が出る事態になったのだ。このために主力のGPタイプの生産が不可能になる恐れが出てきた。そこでハネナイトの開発部門にはノーソレックスを使わないGPタイプの早期開発が至上命題となった。この時に役立ったのが、ユーザーの要求により開発していた旧OP、APタイプ等の研究データだった。これらの蓄積し91