ブックタイトルNaigaiNenshi

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概要

NaigaiNenshi

開始した。64(同39)年から自動車用ガソリンエンジンのキャブレターと燃料計用のフロートの生産に入った。70(同45)年から翌年にかけて、社内から群馬県桐生市の協力会社に生産を移した。当時はクレームがあると桐生で現状を調査し、製品を社内に持ち帰り再現テスト、対策書の提出といった一連の作業を行っていた。また外注先の指導には、東京営業部の担当者が出向いたり、本社製造部の者が長期にわたって現地に滞在したりした。こうした中、自動車部品は社内で生産し、顧客の品質・価格へのニーズに対応していくことにより会社の体質も強化されていくという考えの下、内作に戻すことになる。製法は10年前と全く同じで、1次加硫をしてそれぞれバリ取りをし、これにキャブレター用はハンガーをインサートし2次加硫に供した。2次加硫は多段プレスに重い鉄型を数段入れていき、蒸気バルブを開き、時間が来ると冷却バルブを開け金型が冷えるとプレスを開き、金型を作業台の上に並べて大きなテコで開き、製品取り出し、1次加硫品の仕込み、型締め、加硫へという工程だった。液面用のフロートもほぼ同様の工程であった。81(同56)年にフロート近代化プロジェクトを立ち上げた。まず手掛けたのは、形状の簡単な液面用の平型フロートだった。何万個というフロートを一つ一つ加硫してバリ取りをするという煩雑な工程である。これを簡略化できないかと、1次加硫スラブ方式が考えられた。「表面にスキン層がなかったら耐溶剤性が悪くなるのでは」という意見もあったが、技術課で板を加硫し、これを裁断して製品加硫、ピン穴を開け、浸漬試験で耐溶剤性の確認(500~1000hr)をした。これらの品質を確認しながら、役割分担の下、1次加硫のスラブ方式が完成した。また形状の複雑なキャブレター用については、断面形状に相似の棒(ストライプ)を加硫・裁断するストライプ方式が出来上がった。フロートの2次加硫工程では、当時は60分近い加硫と20分近い冷却が標準的であった。これを短縮する手立てはないものか、今の60分が適正加硫なのかといったことまで検討した。2次加硫は段プレスを使用していたので各段の熱盤昇温時間も冷却時間もバラバラで、プレスごとの温度差もあったようだ。これらが加硫不足にならないためにも安全率がかなりの部分を占めていた。これらを単段プレス化のためにガス膜加硫プレスでの必要型締め圧、蒸気圧、加硫時間、冷却時間の設定テストを行った。検討を経て金型をプレスに取り付け、加硫冷却後、プレスが開くと同時に金型が開き製品の取り出しを行うという工程が完成した。これにより重たい金型の出し入れがなくなり燃料タンクの形状はさまざま。フロートの種類も何十種に及ぶ80