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概要

NaigaiNenshi

第1章創業期[1913-1944]大正2年-昭和19年世界に対抗できるゴム会社を目指して1913(大正2)年7月に神戸で誕生した「内外護謨合資会社」。最新の設備と優秀な人員をそろえ、日本のゴム産業の勃興期を支えた。43(昭和18)年には「内外ゴム株式会社」として改組。戦災に遭いながらも力強く復興を遂げる。神戸から発展したゴム工業1913(大正2)年7月1日、神戸市菅原通5丁目2番地に「内外護謨合資会社」が誕生した。榎並充造が6万円(無限責任社員)を、岡崎忠雄(神戸岡崎銀行創始者、岡崎藤吉の婿養子)、長田清曹、高田虎一がそれぞれ2万円(有限責任社員)ずつを出資し、合計12万円の資本金であった。これは現在の貨幣価値に換算すると1億2,000万円強に当たる。当時のゴム産業における企業としては外資系を除けば破格の資本金で、そこにゴム産業の発展を見据えた強い意志の表れを感じることができる。大正初期は、神戸のゴム産業が本格的に勃興する時期であった。当社の歩みに入る前に、創業前史とし創業当時の本社周辺は農地だったて神戸におけるゴム工業の状況を踏まえておきたい。「日本最初のゴム会社が誕生したのは神戸である」と神戸市の記録にある。1885(明治18)年に創業した護謨球および護謨枕製造の日本護謨製造所がそれだ。ただ、資料が残っていないため幻の会社とされる。実績が残っているもので神戸に初めてできたゴム会社は、94(同27)年創業の水枕メーカー、ラバー商会だ。神戸にゴム工業が勃興した要因は、ひとえにゴム製品の原材料となる天然ゴムの輸入拠点としての神戸港の存在がある。加えて、当時ゴム製品の生産で世界一を誇ったイギリスのゴム会社が日本市場を狙って神戸に工場を建てたことが、その後のゴム工業の発展を決定づけた。1908(同41)年7月に設立された日本イングラム護謨株式会社は、イギリス・イングラム社の分工場で、機械、技術者は本国から派遣され、日本人の職工約30人を集めて尻池村(現神戸市長田区)で操業を始めた。人力車用のソリッドタイヤや28