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概要

NaigaiNenshi

第4章:新時代への挑戦[1983-2013]4トラバー社の工場に学納品の生産委託を依頼することとなり、日本から履物生産機械、器具一式を輸出(貸与)した。プロジェクトチームの相川征四郎が現地で指導に当たり、顧客への出荷に支障を生じさせずに済んだ。当社の看板商品ということもあり、輸入した製品は全て検品してから出荷したが、それでも利益は出た。しかし、主材料は日本から輸出していたため、為替レートの問題が発生しわずか2年弱で学納サンダル(ニューモード)の成型加工は中止せざるを得なかった。また95(同7)年、ベストラバー社がフィリピン・カルモナに新工場を建設するという情報を入手。ゴム生産設備が完備した建設中の工場を視察し、フロートの生産委託の構想をオーナーのシー氏に打診した。採算性を検討した上で委託を決断し、フロート生産委託契約書(英文)を近藤武郎、茨木、片瀬純朗の協力を得て作成し、97(同9)年、フロートの現地生産が始まった。なお、2007(同19)年、このフロート生産委託契約を解消、フィリピンに設立した新会社「内外ゴムフィリピン株式会社(NAIGAI GOMU PHILIPPI-NES CORPORATION)」での生産に切り替えた。新規事業で挑んだ地震感知器当社は従来品にこだわらない新規製品の開発を模索していた。近年の成功例といえば、地震感知器である。その開発経緯について触れておきたい。新規事業を模索していた1995(平成7)年、東和護謨化工株式会社の重本弘敏営業本部長から、「大阪で開催されたベンチャー企業大会で最優秀賞を受賞した株式会社ワコーの3軸静電容量型加速度センサの売り込みが、同社の岡田和廣社長からあった。ついてはわが社と組んで対応しないか」と持ち掛けられた。先の阪神・淡路大震災は直下型地震で縦方向の揺れであったが、この時各家庭のガスメーターに設置されている横方向の揺れを検知する地震感知器が即時に作動しなかった。ワコーの3軸静電容量型加速度センサは、これを克服するものであり、特許取得製品でもあった。当社にとって全くの異業種ではあったが、社長のトップダウンにより地震感知用センサの開発を決定した。当社と東和護謨化工の関係がゴムメーカーとその代理店であったこと、両社長が同じ大学の先輩と後輩の関係にあったことなどから、話はトントン拍子に進んだ。同年8月、センサ開発に関する人員および設備機器等についてワコーの岡田社長から提案があり、9月には、ワコーの基本特許を基に3社で開発契約を締結し、事業を開始した。ワコーが技術指導、東和護謨化工が販売、当社がセンサ製造と役割を分担し、開発費用は東和護謨化工と当社が折半で負担することとなった。当初の開発メンバーは4人。96(同8)年4月に電気・電子の担当を採用し、本格的な開発に着手した。そして97(同9)年10月、2年を費やして「3軸加速度センサ(特許出願平9-292601)」が完成した。当社の新時代の扉を開けた3軸加速度センサ3軸加速度センサを内蔵した地震感知器。P波用は国内トップシェアを誇る103